相加平均相乗平均の関係の最大値・最小値への応用
今回は
相加平均相乗平均の関係の最大値・最小値への応用
について説明します。
重要なのでしっかり理解しておきましょう。
相加平均相乗平均の関係の最大値最小値への応用
前回、相加平均相乗平均の関係について説明しました。
tsurezurebiyori.hatenablog.com
今回はその応用編です。
相加平均相乗平均は不等式の証明だけではなく、
ある特定の形をもつ式の最大値または最小値を考える際に役立ちます。
相加平均相乗平均の関係というのは、
, のとき、
というものでしたね。
(前回の記事の(1)です。前回記事の(2)や(3)の式でも同じことが言えるのですが、大学受験でよく出てくるのは、この(1)の形です。なのでここでは相加平均相乗平均の関係といえばこの(1)式を表していると考えてください)
この式は、左から眺めると、
とみることができます。
また、右から眺めると、
とみることもできますね。
つまり、
積( )が一定値となるときには の最小値がわかり、
和( )が一定値となるときには の最大値がわかるわけです。
このようにして、最大値や最小値を求める際に相加平均相乗平均の関係を利用することができる場合があります。
特に上の(2)の形で利用する場合が多いので、まずは(2)の形で押さえましょう。
このテクニックは大変便利なのですが、
2点だけ注意事項があります。
1.文字が正である場合にしか使えない
2.等号成立条件を必ず確認する
この2点です。このテクニックを使う際には、必ずこの2点をチェックするようにしてください。必ずです!
では、練習問題で演習してみましょう。
練習問題
例題
のとき、
の最小値を求めよ。
< 解 >
なので、
相加平均相乗平均の関係より、
この等号は つまり、 のとき成立している
よって、最小値は となる
上の(2)のパターンですね。
積が一定値となるので和の最小値がわかるわけです。。