マイルームが散らかっていくわけを理系の頭で考えてみた
今週のお題「わたしの部屋」
あなたのマイルームは今どうなっていますか?
きちんと整理整頓され、いつでもきれいなマイルーム、友達だっていつでも呼べる(わくわく♪)、、であるはずだったのに!!!
なぜか今や、、部屋は散らかり放題、机の上には書類の山、床は足の踏み場もないほどモノでにぎやかになり、探し物があるときはいつもかくれんぼゲームが勃発(物陰に周到に身を潜めているのでなかなかうまく見つけられない)、、
そんは悲惨なマイルームになってはいないでしょうか?いや、そんなマイルームになってしまっている人もきっと多いはず。。かく言う私も、、、(自主規制)
ですが、安心してください!笑
マイルームがそんな悲惨な状態になってしまうのには、実は科学的なわけがあるのです!!
それは、、「エントロピー増大の法則」というもの!
エントロピー増大の法則
エントロピー(Entropy)という言葉はあまり馴染みのない人もいるかもしれませんが、簡単に言えば、「乱雑さ」を表すものと考えてください。
(大学で本格的に物理学や物理化学を学んだ人は、 とか みたいな数式が脳裏にパっと浮かんでくるかもしれませんが、ここでは難しい話はしないので、数式が苦手な人も安心してください笑♪)
そして、先にお伝えした「エントロピー増大の法則」というのはどういうものかというと、「孤立系においては、この世界のあらゆるもののエントロピーは時間とともに増大する」というものです。
これはどういう意味でしょうか?
「孤立系」という言葉も聞き慣れないかもしれません。本当はこのエントロピー増大の法則を考えるうえでこの「孤立系」という概念は避けて通れない重要なものなのですが、ここではわかりやすさ重視のため、あえてそのまま避けて通りますね♪笑
「エントロピー」というのは先ほど説明した通り、ものの「乱雑さ」を表すものでした。ということは、この法則が言っているのは、
「この世界のものごとは時間が経つにつれて乱雑な方向に進んでいく」
ということなのです。
まだピンと来ないかもしれませんが、実はこの「エントロピー増大の法則」は私たちの身の回りの日常でもよく起こっています。
例えば、コップの中の水にインクを垂らすと、インクは次第に水の中に広がっていき、最終的には水と混ざった状態になります。この現象では、最初は水とインクはそれぞれの元の場所できれいに分離されて分かれた状態だったのに、時間の経過にともなってインクが水の中を広がっていき、水とインクが混ざり合った乱雑な状態となっていますね。つまり、「乱雑さ」が増えているわけです。
この例のように、自然の状態ではものごとのエントロピー(=乱雑さ)は時間が経つにつれて大きくなっていくのです。ものすごくざっくりとした説明になりましたが、これが「エントロピー増大の法則」というものです。
ここではあまり詳しくは触れませんが、実はこの「エントロピー増大の法則」は熱力学の第2法則とも密接に関係しているもので、私たちの宇宙の動きを支配するとてもとても重要な概念なのです。(大学で物理学や物理化学を専攻すればこの辺も深く学べますよ♪)
ではそろそろ本題に参りましょう。
"最初はあんなにきれいな状態だったマイルームが、いったいどうして散らかり放題の悲惨なマイルームへと変化してしまったのでしょう?"
カギになるのはエントロピー(乱雑さ)です。最初のきれいに整理整頓され、モノの配置も規則正しく並んでいたマイルームというのは「乱雑さ」が低い、つまりエントロピーが低い状態ですね。そして、散らかりまくって乱雑なマイルームというのは、まさに「乱雑さ」が大きくなった、すなわちエントロピーが大きな状態です。
つまり、あんなにきれいだったマイルームが、いつのまにか散らかり果てた悲惨なマイルームに変化していく、というのは実は「エントロピー増大の法則」にちゃんと従っている現象、すなわち「自然の摂理」だったわけです。どうりで普通の暮らしをしているだけなのに部屋が散らかっていくわけです。笑
ただ、そんな自然の摂理ゆえ散らかりゆく自分のマイルームを何とかしたいと思っている人もいるでしょう。何とかあのきれいだったマイルームにもう一度戻したい!!
そのためにはどうすればよいのでしょうか??
今までの私の話を十分に理解していただけたなら、もうおわかりだと思います。
そう、「エントロピー増大の法則」をひっくり返せばよいのです。
えっ、でも、、「エントロピー増大の法則」は宇宙の全事象を司る絶対的な法則だから、そんなの不可能なのでは???
と思ったあなた!
確かにその通り!笑 残念ながら(?)この「エントロピー増大の法則」自体をひっくり返すことはほぼ不可能といっていいでしょう。
(実は細かなことを言うとこの辺りの話はやや複雑なところがあるので、あえて”ほぼ”と表現しています笑)
しかし!!「エントロピー増大の法則」を”見かけ上”ひっくり返すことは可能なのです。
覚えていますでしょうか?
この「エントロピー増大の法則」には避けて通れない重要なキーワード「孤立系」という言葉が含まれていたことを!(堂々と避けて通ってしまったあの言葉ですね笑)
「孤立系」とは簡単に言えば、外部から完全に孤立してしまった状況のことを指しています。つまり、外部から完全に孤立してしまい、外界とのエネルギーの移動がなくなった状態のことです。このような状態では、ものごとは必ず乱雑な方向へと導かれます。これが「エントロピー増大の法則」なわけです。ということは、この「孤立系」を崩せば、見かけ上エントロピーを下げることができるということになりますね、、
では、散らかったマイルームをもとのきれいに整った美しい状態に戻すためには、どうすればよいのか?、、もうおわかりですね?
そう、散らかったマイルームに外からエネルギーを投入してやればいいのです。
つ・ま・り、、、
頑張って体を動かしてマイルームの片付けをしよう!(=マイルームにエネルギーを投入する)ってことですね笑
外界との間でエネルギーのやりとりがあれば、「孤立系」ではなくなり、マイルーム自体のエントロピーを下げることが可能になるわけです♪
このように理詰めで考えれば、”愛するマイルームがどうして悲しく散らかっていくのか”という古今東西人々を常に悩ませている難題も、爽快なくらいにすっきり理解することができ、解決策も自然と手に取るようにわかってきます。
理系の頭脳って本当に素晴らしいですね♪
(注)エネルギーの投入をやめてしまうと「エントロピー増大の法則」によりまた部屋は散らかっていきますのでご注意を。