つれづれの月

つれづれの月

医大生が数学をはじめとして、大学受験や医学部受験、科学系のトピック、暮らしのネタ、etcを紹介していくブログです☆

MENU

相加平均相乗平均の関係とその証明

今日は

相加平均相乗平均の関係

について紹介します。

とても重要なのでしっかり理解しておきましょう。

 

 

相加平均相乗平均の関係

 n 個の数があるとき、

これらの和を  n で割ったものを相加平均、

これらの積の  n 乗根を相乗平均

といいます。
 

相加平均と相乗平均との間には次の有名な不等式が成立します。

相加相乗平均の関係

(1) a>0 ,  b>0 のとき、

 \displaystyle \frac{a+b}{2} \geqq \sqrt{ab}  \tag{1}

(等号は  a=b のときに成立)

 

(2) a>0 ,  b>0 ,  c>0 のとき、

 \displaystyle \frac{a+b+c}{3} \geqq \sqrt[3 ]{abc}  \tag{2}

(等号は  a=b=c のときに成立)

 

(3) a>0 ,  b>0 ,  c>0 ,  d>0 のとき、

 \displaystyle \frac{a+b+c+d}{4} \geqq \sqrt[4 ]{abcd}  \tag{3}

(等号は  a=b=c=d のときに成立)

 

これを、相加平均相乗平均の関係といいます。

(相加相乗平均の関係と呼ばれたり、単に相加相乗と呼ばれることもあります)

 

(1)は2個の数、(2)は3個の数、(3)は4個の数に関する相加平均相乗平均の関係です。

文字は全て正であることに注意してください

 

相加平均相乗平均の関係はとても重要な不等式で、大学入試でも最頻出です。

数学が苦手な人はまず(1)だけ覚えましょう。

数学が得意な人や難関大学を目指す人は(1)、(2)、(3)全部覚えておいてください。

 

証明

まず、(1)の証明をしてみましょう。

(左辺)-(右辺)が  0 以上であることを示します。

 

 \displaystyle \frac{a+b}{2}-\sqrt{ab}= \frac{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2}{2} \geqq 0
 \displaystyle \therefore \frac{a+b}{2} \geqq \sqrt{ab}

等号は  \sqrt{a}=\sqrt{b} 、つまり、 a=b のときに成立します

 

次に、(2)の証明をしてみましょう。

(1)の不等式を利用することで(3)の不等式を導くことができます。

 

\begin{align}
\frac{a+b+c+d}{4} &=  \frac{\displaystyle \frac{a+b}{2}+\frac{c+d}{2}}{2} \\
&\geqq \frac{\sqrt{ab}+\sqrt{cd}}{2} (\ \because \ (1) \ ) \\
&\geqq \sqrt{\sqrt{ab} \sqrt{ab}} (\ \because \ (1) \ ) \\
&= \sqrt[4]{abcd}
\end{align}

 等号は、 a=b c=d \sqrt{ab}=\sqrt{cd}

つまり、 a=b=c=d のときに成立します

 (1)の不等式を2回使えば(3)の不等式が示せるわけですね。

 

あとは(3)の証明ですが、、、

これは宿題にしますので少し考えてみてください。。笑

プライバシーポリシー お問い合わせ