つれづれの月

つれづれの月

医大生が数学をはじめとして、大学受験や医学部受験、科学系のトピック、暮らしのネタ、etcを紹介していくブログです☆

MENU

コーシー・シュワルツの不等式

今回は

コーシー・シュワルツの不等式

について紹介します。

重要なのでしっかり理解しておきましょう!

 

コーシー・シュワルツの不等式

(1)

 \displaystyle (a^2+b^2)(c^2+d^2) \geqq (ac+bd)^2 
(等号は  a:b=c:d のときに成立)

 

(2)

 \displaystyle (a^2+b^2+c^2)(d^2+e^2+f^2) \geqq (ad+be+cf)^2
(等号は  a:b:c=d:e:f のときに成立)

  

 

この不等式を、コーシー・シュワルツの不等式といいます。

入試でよく出るというほどでもないですが、

不等式の証明問題や多変数関数の最大値・最小値を求める際に

威力を発揮する不等式です。

 

証明

(1),(2)を証明してみましょう。

(左辺)-(右辺)が  0 以上であることを示します。

実際の証明をみると、「あぁ、・・・」と思うかもしれませんが、

初めてやってみると案外難しいですし、式変形の良い練習になりますので、

ぜひまずは証明を自分でやってみてください!

(数行下に証明を載せていますので、できた人は答え合わせをしてくださいね)

 

 

 

 

(1)

 (a^2+b^2)(c^2+d^2)-(ac+bd)^2

 a^2d^2+b^2c^2-2abcd

 =(ad-bc)^2

 \geqq 0

等号は  ad=bc 、つまり、 a:b=c:d のときに成立します

(2)

 (a^2+b^2+c^2)(d^2+e^2+f^2)-(ad+be+cf)^2

 a^2e^2+a^2f^2+b^2d^2+b^2f^2+c^2d^2+c^2e^2-2abde-2becf-2cfad

 (a^2e^2-2abde+b^2d^2)+(b^2f^2-2bfce+c^2e^2)+(c^2d^2-2cdaf+a^2f^2)

 =(ae-bd)^2+(bf-ce)^2+(cd-af)^2

 \geqq 0

等号は  ae=bd かつ bf=ce かつ cd=af

つまり、 a:b:c=d:e:f のときに成立します。

 

 

、、うまく証明できましたか?

(2)の式変形がちょっと難しかったかもしれませんが、(1)の変形を3つ作れる!ということに気付ければできると思います。

 

では、このコーシー・シュワルツの不等式を使って例題を解いてみましょう。

 2変数関数の最小値を求める問題ですが、このコーシー・シュワルツの不等式を使えば簡単に解くことができます!

ポイントはコーシー・シュワルツの不等式をどう使うかです。

自分でじっくり考えた後、下の解答を見てくださいね!

 

例題

 x,\: y を実数とする。

 x+y=1 のとき、 x^2+y^2 の最小値を求めよ。

  

 コーシー・シュワルツの不等式より、

 (x^2+y^2)(1^2+1^2) \geqq (x+y)^2

 \therefore 2(x^2+y^2) \geqq 1 (\: \because \: x+y=1)

 \displaystyle \therefore (x^2+y^2) \geqq \frac{1}{2}

この等号は  x:y=1:1、かつ  x+y=1

すなわち、 \displaystyle x=y=\frac{1}{2} のときに成立する

よって、最小値は  \displaystyle \frac{1}{2} である

 

コーシー・シュワルツの不等式の(1)式で、 a,b,c,d x,y,1,1 とすればよいのですね。。

このコーシー・シュワルツの不等式は慣れていないと少し使いにくいかもしれませんが、練習すれば自然と慣れてきます!

大学受験でも有用な不等式なので、ぜひコーシー・シュワルツの不等式は使えるようになっていてください!

プライバシーポリシー お問い合わせ